夢の力と学校
夢の力で学校を贈る 10年間で28の国に107校
連載第1回目:2011年4月2日掲載
「毎日ひとつ誰かを喜ばせることをやりましょう。それだけで世界を変えていくことができるんです」
2010年12月8日、日本武道館で1万2000人の観客が集まったコンサートが開催されました。出演者は、世界的に知られている芸術家のオノ・ヨーコさんや日本の有名な歌手や俳優です。
コンサートでは愛と平和の大切さを生涯歌い続けたイギリスの歌手、故ジョン・レノン(元ビートルズ)の歌が演奏され、出演者は夢を持つことの大切さを語り、観客の心には「愛」や「平和」、そして「夢」のメッセージが残りました。
このコンサートは「ドリーム・パワー ジョン・レノン スーパー・ライヴ」という、世界の恵まれない子どもたちに学校を贈るためのチャリティーです。
世界には学校で学びたくても、学校がないために、通えない子どもたちがたくさんいます。戦争で学校が壊されたり、貧困のために学校が足りなかったり、その理由はさまざまです。
そんな子どもたちに学校を贈ろうと、2001年から毎年このコンサートは開催され、昨年、10回目が行われました。これまでに建てられた学校の数は、世界28の国に107校になります。
中心人物のひとりで、ジョン・レノン夫人のオノ・ヨーコさんは「みんなで夢を見ることが大切だ」と、コンサートで呼びかけました。学校に通いたいという世界の子どもたちの夢、その子どもたちが勉強できるようにお手伝いしたいという、観客や出演者、スタッフの夢——。一人一人の夢がひとつになって、新しい学校が世界中に建設され続けているのです。