コイシくんとコイシちゃん ジョン・レノンとオノ・ヨーコ
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『Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ』は「どんな些細なことでも夢を持つこと。それが世界を変えていく大きな力となるのです」というオノ・ヨーコさんの提唱により、世界の子どもたちに学校を贈るチャリティ・コンサートです。

コンサートは2001年から毎年開催され、過去11回のコンサートで、「世界の子どもたちに学校を贈ろう!」というオノ・ヨーコさんの呼びかけによって参加した日本のアーティストは167人、世界28か国117校の学校建設を支援してきました。

「ひとりで見る夢はただの夢、みんなで見る夢は現実になる」
〜オノ・ヨーコ

バックステージ

バックステージ1 過去10回で154人が出演

連載第20回目:2011年8月13日付掲載

7月22日、東京・芝浦でモンブラン国際文化賞の授賞式が行われました。受賞者はオノ・ヨーコさん。毎年、故ジョン・レノンの命日、12月8日に「ドリーム・パワー ジョン・レノン スーパー・ライヴ」を開き、世界の子どもたちに学校を贈ってきたことは、この連載でみなさんはすでに知ってますね。過去10回のコンサートで、28か国に107の学校が誕生しました。この活動が評価され、ヨーコさんは受賞しました。

さて、今回から数回に分けて、ドリーム・パワー・コンサートに向けて、どのような準備をしていくのかを紹介していきたいと思います。

コンサートの準備は、なんと、前のコンサートが終わったその日から、つまり、1年も前から始まります。まず、コンサートが開かれた会場が来年も同じ日に使えるように手続きをします。東京にある日本武道館は、1966年にジョンがビートルズというグループで実際に演奏した場所で、日本で唯一、ジョンがステージに立った大切な場所です。

続いては「キャスティング」と呼ばれている準備で、出演者を募る準備です。ヨーコさんの呼びかけによって、たくさんの方々が出演を希望してくださいます。10回のコンサートの出演者は、なんと154人。歌手だけではなく、俳優の方も参加されます。昨年は、吉永小百合さんや鈴木京香さんが出演しました。

今年の出演者も決まってきていて、9月には発表する予定です。楽しみにしていてください。

バックステージ2 コンサートを支える人々

連載第21回目:2011年8月20日付掲載

ドリーム・パワー・コンサートに向けて、どのような準備をしていくのか。前回は出演者を募る準備までをご紹介しました。

次にすることは、広報活動とコンサートの演出を決めていくことです。この二つが、ほぼ同時に進行していきます。広報活動は「プロモーション」とも呼ばれ、新聞やテレビ、ラジオ、雑誌、インターネットなどを通してします。ドリーム・パワー・コンサートがいつ、どこで行われ、誰が出演するのか、入場料はいくらなのかなどを伝えていきます。

しかし、それだけではなく、このコンサートの目的や魅力を的確に伝えることもとても大切です。毎年、コンサートを楽しみにしている人に「よし、今年も参加するぞ!」と思ってもらうこと、そして、このコンサートを知らない人が「どんなコンサートなんだろう? 面白そうだな、参加してみようかな」と思うようにと、意識して進めます。この広報活動は、コンサート当日まで続きます。

続いて、演出会議です。コンサートの中心的なスタッフが、今年はどのようなコンサートにするか決めていき、裏でコンサートを支えているスタッフのみなさんに、決まったことを会議で伝えます。綿密な打ち合わせを繰り返し、演出が実現できるように準備をしていきます。

スタッフ会議に参加するのは▽ステージ上の進行をとりまとめる舞台監督チーム▽音響設備を用意したり、観客が聴く音を調整する音響チーム▽ステージの照明を操作する照明チーム▽ステージのバックスクリーンなどに映像を映したり、その映像を製作したりする映像チーム▽舞台セットを作る舞台設営チーム▽テレビなどで放送する映像を撮影する放送チームなど、いろいろな担当ごとにチームが分かれています。

コンサートに関わっているスタッフはこれだけではありません。「まだあるの?」と思いますか?コンサートを見ているだけでは気付かないような仕事もまだまだたくさんあります。来週はほかの仕事も紹介したいと思います。

コンサートのフィナーレ。みんなの力が一つになって、1年に1度のステージが完成します。

バックステージ3 スタッフ総勢400人

連載第22回目:2011年8月27日付掲載

ドリーム・パワー・コンサートを裏で支えるさまざまなチームを前回は紹介しましたが、コンサートにはほかにもいろいろな仕事があります。

ミュージシャンのみなさんが使う楽器を準備し、最高の状態で演奏できるように調整する楽器チーム。必要な機材、楽器、大道具などを会場に運ぶトランポ・チーム。

コンサートに必要なものに電気があります。あまり知られていませんが、電源を確保するチームもあるんです。電源車という発電機を積んだ車を用意して、コンサートに必要な電気を発電します。

ほかにも出演者やスタッフの飲み物や食べ物を用意するケータリングという仕事もあります。お客さんが、安全に入場してコンサートを楽しめるようにしている会場整理係や、もし具合が悪くなってしまった人が出たときに対応する看護師さんもいます。

舞台を作ったり、グッズを売ったりするアルバイトの数を入れると、スタッフの数は合計で400人ぐらいになります。ひとつのコンサートを作るのにこれだけの人たちが関わっているのには、びっくりしますよね。

いよいよコンサートの日が近づいてくると、リハーサルが始まります。実際のステージと同じくらいの大きさのスタジオを使って、本番さながらに出演者が演奏したり、歌ったりします。その間、各チームは一人一人の出演者に合わせて、どういう照明にするのか、どういう映像にするのかなど、細かく決めていきます。

出演者によって、ジョンの曲はいろいろな形に編曲されます。それに合わせたり、試行錯誤しながら、バンドも練習をしていきます。リハーサルが終わると、実際のコンサートの時間が決まってくるわけです。

さて、本番まで1週間が迫ると、スタッフたちは会場となる日本武道館で打ち合わせます。これを「小屋打ち」といいます。今まで会議やリハーサルで決めてきたことが、本当に日本武道館でできるのか、最終確認をします。

さあ、これが終わるといよいよ本番を迎えるだけです。

コンサートまであとわずか。スタジオでのリハーサルの最終日。オノ・ヨーコさんを囲んで、バンド・メンバーと主要スタッフ

バックステージ4 ノンストップ 徹夜で準備

連載第23回目:2011年9月3日付掲載

まもなく本番です。コンサートの前の日は、最終電車が走るころから、出演者以外のチームは会場の外で待機します。日本武道館で前日に行われていた催しが終わったら、すぐ準備を始めるためです。

真夜中の午前1時、会場に入れるようになると、舞台、照明、音響、楽器、映像チームは、それぞれの機材を運び込む作業をアルバイトの人とともに一斉に開始します。

まずは舞台を作ります。日本武道館は1964年に開催された東京オリンピックの会場のひとつとして建設された武道場です。なので、普段はステージがありません。舞台チームは大きな建物を建てるように、ゼロからステージを作っていきます。

そのあいだに照明チームはステージを照らす多くの照明を天井につるしたりします。音響チームも大小さまざまなスピーカーを設置していきます。

ステージができて、電気の配線が終わると、楽器チームはドラムセットを組み立てたり、ギター用のスピーカーを準備。映像チームはスクリーンを設置します。スクリーンにはステージの背景となる巨大なものや、遠くの席の人がステージの様子をはっきり見られるようにするためのものなどがあります。それぞれ、映像を映してテストをします。

午前3時になると、バンドの楽器がステージに運ばれます。各チームが作業を進めていると、朝日が昇ってくる時間になります。

朝8時。アルバイトの人たちが客席の椅子を並べるころには、音響・照明をはじめ全てのチームが、ミスはないか、徹底的にチェックしていきます。会場が完成するお昼ごろ、ついにバンドのメンバーが到着。いよいよ出演者を迎えてのリハーサルが開始されます。

このように本番直前はノンストップの作業が夜通し進みますが、みなさんはスタッフがいつ寝ているのか不思議に思ったかもしれませんね。少しでも寝られる時間ができたら交代で休むようにしていますよ。でも、徹夜になってしまう人もたくさんいます。1年をかけてみんなで夢見たステージ。会場を作るスタッフの本番は、一足早く始まっているのです。

たくさんのスポットライトをつるしたり、スクリーンを設置したりと、夜通しの作業が続く会場作り。武道館の中はまるで工事現場のようです

バックステージ5 開演直前までリハーサル

連載第24回目:2011年9月10日付掲載

さあ、ついにドリーム・パワー・コンサートの当日です。コンサートが始まる時間を遅らせることはできないので、準備は時間との勝負になります。

お昼ごろにバンドのメンバーがそろったら、いよいよ本番を想定したリハーサルが始まります。

ドリーム・パワー・コンサートのバンドは「トリビュート・バンド」と呼ばれていて、ドラム、ベースが1人ずつ、ギター、キーボードが2人ずつの6人編成です。それぞれ楽器のチューニング(音の高さ合わせ)から始め、どの曲でどの楽器を使うかなど、念入りに確認していきます。

バンドが準備を終えると、出演アーティストを迎えてのリハーサルが始まります。出演者は本番さながらに歌い、音響・照明・映像チームなどすべてのスタッフも本番と同じようにリハーサルをしていきます。たとえば、テレビ収録チームは、どの位置から撮影するのか、どのように撮影するのかなど、いろいろ試します。

時間は待ってくれません。舞台監督はてきぱきとリハーサルを進めていきます。みんなの表情は真剣そのものです。でも、スタッフのみんなが楽しみにしていることもあります。それはコンサートのフィナーレのリハーサルです。豪華な出演者全員が集まるからです。

バンドはほとんどの出演者のリハーサルに参加します。リハーサルが終わるのは開演時間のほんの少し前です。おなかもペコペコでしょう。このころにはもうお客さんが日本武道館の外に集まり始めて、チャリティーグッズを買ったり、看板のところで記念写真を撮ったりしている時間です。

広報担当者は、コンサートを取材しに来た新聞社、テレビ局、通信社、インターネットニュース局や雑誌社など大勢の報道関係者を席に案内します。そして、いよいよ開場の時間です!

こんな光景が毎年繰り返され、日本武道館で1万人を超える観客の集まるコンサートが開催されています。11回目の今年はどんなステージになるのでしょう。みなさんドリーム・パワー・コンサートに来てくださいね。

毎回、コンサートの最後は、出演者がステージに勢ぞろいし、華やかにフィナーレを迎えます。今年はどんな顔ぶれになるのでしょうか。出演者の発表は間もなくです
©Bob Gruen

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